不正咬合の主な原因

子は親に似る

あごや歯の形は親から遺伝しやすく、親が出っ歯だと、子も同じようになる可能性があるのです。
歯やあごの形成には遺伝的要因が大きいのですが、幼児期の食生活(噛む習慣)もその後の成長に影響します。昔に比べてやわらかいものを食べる傾向になった現代、噛む回数が減ることによりあごの発達が不十分に歯が生えるスペースを狭めてしまい、叢生(そうせい)となるケースがでてきます。親に似るのは、見た目だけでなく、習慣もなので、かみ合わせ改善のために小さい頃から「よく噛んで食べる」ことを親子で身につけましょう。

遺伝的な症状は主に第二次成長期の12歳以降に現れ始めるので、それ以前に受け口などの予防や対策を講じていれば歯列不正は最小限に抑えられます。

そのままほっておいてはダメ

「乳歯は生え変わる だから虫歯になってもほっておいてもいい」そう思われる親御さんたちもいられるようですが、乳歯がガイドしてきれいな永久歯が生えてくるのです。だから、子供の歯並びやかみ合わせをきれいにしたいと思ったら、まず乳歯を大切にしましょう。

乳歯がきれいに生えそろっている状態を保つには、とにかく虫歯にしないこと!乳歯が虫歯になると、痛みでよく噛めないだけでなく、噛み合わせもズレてきてしまいます。

また、乳歯を早く失うことで、発音が不明瞭になるという弊害がでたり、永久歯の生えてくる場所がなくなり八重歯のように凸凹の歯並びになり、必然的に噛み合わせも悪くなります。

指しゃぶりは4歳過ぎたら考えもの

赤ちゃんが指しゃぶりをするのは当たり前ですが、4歳過ぎても直らないのは、噛み合わせが悪くなることがあるので、要注意です。2歳過ぎても指しゃぶりの回数が減らず、歯並びが気になる場合は、一度歯医者さんに診てもらいましょう。1歳代でやめさせてもいいのですが、毎日の過ごし方を工夫してみることで自然にやめられるときでもあります。無理やりではなく、やめれるように家族や幼稚園・保育園の先生にも協力してもらいましょう。

乳歯が生えそろってから永久歯が生えるまで長期にわたって指しゃぶりが続くと開咬や出っ歯になったりします。

唇を噛んだり、ほおづえをついたり、ほかの口の周りの癖が歯に影響を与えることもあります。過度に行うようでしたら、直す必要がでてきます。

また、アレルギー性鼻炎等によって鼻呼吸が出来ずに口呼吸をすることによって歯列の横幅が狭くなり、上の前歯が押し出されて出っ歯などの不正咬合となるケースがあります。

生え替わりの時期も大切

生後半年から2歳までの間にほとんど生え揃う乳歯に比べると、永久歯への生え替わりはゆっくりしています。早い子で4歳半からだいたい7~8年かけて、全部生え替わるのは12~15歳ごろまでです。抜け替わる時期は、あごが成長する時期でもあるので、隙間ができたり、歯が斜めに生えてきたりすることもあります。そのほとんどは生え替わりが進むにつれて解消されることが多いのですが、その期間に永久歯の生える順序が乱れたり、虫歯や外傷によって不正咬合になりかねません。

歯がなかなか生えてこなかったり、転んだり打撲して歯が破折したりした場合は、小児歯科医や矯正歯科医にご相談ください。